植物の病気 稲編 ~イネごま葉枯病~

イネごま葉枯病とは?

イネに感染する病気であり、「いもち病」・「紋枯れ病」と並ぶイネの三大病害の一つとして数えられています。イネいもち病とは異なり、イネが若い時期に感染し、葉にゴマのような黒い病斑を形成するのが特徴です。

イネごま葉枯病菌 分生子

発生要因

ごま葉枯病はいもち病菌と同様、カビの一種であるイネごま葉枯病菌(学名:Cochliobolus miyabeanus)によって引き起こされる病気です。菌は高温でやや乾燥気味な環境条件を好み、病斑上に形成された分生子を風などによって飛散させることで感染を拡大させます。感染した種子やイネ藁が感染源となり、健全な葉に病斑を形成します。発生は夏頃に多い傾向にあります。

 

防除方法

ごま葉枯病の防除方法として以下の方法が用いられています。

・農薬(殺菌剤)の使用

・罹病葉や罹病残渣の除去

・施肥管理

多くの病原菌に当てはまりますが、感染した葉(罹病葉)が感染源となります。そのため、罹病葉や罹病残渣を圃場に放置してはいけません。焼却処分もしくは圃場から取り除くといった作業が必要です。また、ごま葉枯病は肥料不足により弱ったイネに感染しやすいです。肥料を与え、イネが弱らないように管理することで感染しにくくなります。