趣味の園芸 食虫植物編 ~ハエトリソウ~

マイナーな植物を育ててみたい今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今回は以前から育てているあの植物について書いていこうと思います。

それがこちら

ハエトリソウでございます。

この個体は3月頃にホームセンターで開催されていた即売会で購入したものです。

品種は「ビックマウス」で、いろんな品種があるハエトリソウの中でも特に大きな補虫葉をつけるタイプらしいです(ハエトリソウにわか)。

 

まだ購入して日が浅いので、すだれを掛けた棚で育てています。

というのも、ハエトリソウは日当たりの良い場所で生育させるのが一番良いのですが、この個体は数日前に葉が部分的に黄色くなる「葉焼け」のような症状が出ていたからです。

 

「日差しが強すぎると葉焼けしてしまう。」という情報を聞いたことがあったので、春とはいえ用心のためにこういった処置をしています。

せっかく育てている子が弱ってしまうのは見るに堪えませんからね。

 

用土に関しては「軽石」をやや多めに入れ、定番のミズゴケを使って栽培しています。

Amazonで調べたら「食虫植物の土」と呼ばれる商品が販売されていたので、また植え替えの際はそちらも使っていこうかなと思います。

 

また、お隣には同じ即売会で購入した「サラセニア 品種:」、「モウセンゴケ 品種:」が置いてあります。

この子達もこれから大きく育ってくれるようにしっかりとお世話をしていこうと思います。

 

 

植物の病気 ジャガイモ編 ~ジャガイモ疫病~

ジャガイモって美味しいですよね。

ポテトサラダにして食べたくなります。

今回はそんなジャガイモに関する病気について取り上げていこうと思います。

ジャガイモ疫病(Late Blight) は、ジャガイモやトマトに大きな被害をもたらす病気で、世界中の農業にとって今でも深刻な問題です。

 


 ジャガイモ疫病(Late Blight)の基本情報

  • 病名:ジャガイモ疫病(Late Blight)

  • 病原体Phytophthora infestans(フィトフトラ・インフェスタンス)
    名前に「菌」とついていますが、実はカビではなく『卵菌類(らんきんるい)と呼ばれる別のグループ。

 


 症状の特徴

  • :水浸状の斑点ができ、すぐに茶色く枯れていく。

  • 暗褐色の病班を生じ、その部分が折れて腐敗する。

  • 塊茎(ジャガイモの本体):中まで茶色に変色して腐敗。収穫後も貯蔵中に腐ることがある。

 


 発生しやすい条件

  • 多湿条件および 涼しい気温(15〜25℃)に発生しやすい。

  • 雨や霧の多い年には一気に拡大。

  • 空気中の胞子で広がるので、一晩で畑全体で蔓延することもある

 


 歴史的事件:アイルランド大飢饉(1845~1852)

  • ジャガイモが主食だったアイルランドでこの病気が大発生。

  • ジャガイモがほぼ全滅し、100万人以上が餓死200万人が移民することに…

  • 政治・社会・移民の歴史にも大きな影響を与えた。

 


 現在の対策

  • 耐病性品種の栽培(例:『メークイン』など)

  • 化学農薬(殺菌剤)の散布

  • 適切な排水・輪作・発病源(感染した残渣)の除去

  • 排水の見直し(路地栽培では病原菌のはねかえりを防ぐ

植物の病気 柑橘類編 ~カンキツグリーニング病~

カンキツグリーニング病(Huanglongbing, HLB)は、世界の柑橘生産地で最も深刻な被害を与える重要病害の一つです。
ザックリといえば柑橘類の病気の中で最もヤベーヤツです。
別名「黄龍病(ファンロンビョウ)」とも呼ばれます。

 


 カンキツグリーニング病とは?

 原因

  • 細菌の一種:Candidatus Liberibacter spp.

    • 主に2タイプ:

      • Candidatus Liberibacter asiaticus(アジア型・最も広範囲に分布)

      • Candidatus Liberibacter africanus(アフリカ型)など

    • 特徴:通常の培養ができない(難培養微生物)→研究も難しい!

 媒介者

  • ミカンキジラミ(Diaphorina citri)などのキジラミ類

    • 吸汁することで細菌を移す「虫媒性細菌病」

    • 病気が広がるスピードがとんでもなく速い!

 


 症状の特徴

  1. 葉に黄化(クロロシス

    • 葉の一部が黄色くなる

    • 特徴的なのは「非対称な黄化」→診断のポイント

  2. 実の異常

    • 小さくてゴツゴツ、変形

    • 緑色のまま熟さない(だから「グリーニング」)

    • 酸味が強くて食べられたもんじゃない

  3. 木全体が衰弱

    • 徐々に枯れていく

    • 一度感染すると治らない

 


 どれくらいヤバい?

  • 沖縄・奄美・鹿児島で発生、日本本土では侵入を警戒中

  • アメリカ・ブラジル・中国などの主要柑橘産地でも壊滅的打撃

  • 果樹園全体が全滅することもある…

  • ワクチンも治療法もナシ! → 予防と防除しかない!

 


 防除対策

  1. 媒介昆虫(ミカンキジラミ)の徹底防除

    • 農薬+誘引トラップ+天敵利用など

  2. 感染樹の早期発見・伐採(抜根処分)

    • 放っておくとどんどん広がる

  3. 苗木の健全化(クリーン苗の流通)

    • 無病の苗しか使わない!

  4. 柑橘園の衛生管理&検査体制強化

    • モニタリング・検査・隔離区域の設定

 


 豆知識

  • 日本では「植物防疫法」に基づいて、指定検疫病害になってる。

  • だから発見されたら行政がすぐ動くレベル。

  • 「バイオテ〇」の例として取り上げられることすらある。

  • 「植物病理学は明日の君を願う」でも取り上げられている。

植物の病気 稲編 ~イネ白紋病~

いもち病、ごま葉枯病と同様にイネに被害を及ぼす代表的な真菌性病害の一つです。

稲の茎や葉に病斑をつくり最終的には立ち枯れる、とても重要な病気です。

田んぼでイネがまとまって枯れている場合この病気が原因である可能性が高いです。

 イネ紋枯病(Rice sheath blight)の基本情報

 原因

  • Rhizoctonia solani(リゾクトニア・ソラニ

  • カビ(糸状菌)の一種、土壌中に生息
  • 世界的にも農作物に多くの被害を与える「悪名高い」病原菌。白菜・ホウレンソウ・レタス・ナス科野菜やイチゴなどにも感染する

感染部位

  • 主に葉鞘(ようしょう)=茎を包む部分
  • 進行すると葉・茎・穂首まで広がることもある

 


  症状の特徴

  1. 初期症状:葉鞘に楕円形の灰白色の病斑

    • 周囲が褐色の輪状になる(紋=もん)

    • 紋をつくることから「紋枯病」と呼ばれる

  2. 病斑が徐々に拡大

    • 茎を一周するように広がると、水分や栄養の通り道が断たれ、上の葉や穂がしおれる

  3. 群落的に発生しやすい

    • 病斑が接触した葉から葉へ、密植された田んぼでどんどん広がる

  4. 最終的には立ち枯れ

    • 穂が出ても実らなかったり、未熟な籾ばかりになる

 


 発生しやすい条件

  • 高温多湿(25~30℃)

  • 密植・倒伏・窒素肥料の過多

  • 田んぼの風通しが悪い・水が多すぎる

夏の間の「ジメジメ」した気候は大敵! 特に梅雨の時期に注意!

 


 防除方法

  1. 栽培管理

    • 適切な密度で植える(密植を避ける)

    • 倒伏しにくい品種を選ぶ

    • 窒素肥料を控えめにする

  2. 薬剤防除

    • 発病前または初期に殺菌剤を散布

    • 例:バシタック水和剤75(メプロニル水和剤)、オーソサイド水和剤80(キャプタン水和剤)、バリダシン液剤5(バリダマイシン液剤)、リゾレックス水和剤(トリクロホスメチル水和剤)、モンカット水和剤(フルトラニル水和剤)など

  3. 抵抗性品種の利用

    • ただし、完全な耐性はまだ少ないので、他の方法と組み合わせるのが◎

植物の病気 アジサイ編 ~炭疽病~

炭疽病とは?

多くの植物に感染する病気です。イチゴ・キュウリ・柿・アジサイなどの果樹から野菜に至るまで多くの植物に被害を与えます。葉に褐色もしくは赤褐色の病斑を生じる病気には「炭疽病」をはじめ「褐斑病」、「斑点病」、「葉斑病」、「輪斑病」、「輪紋病」などがあます。いずれも発生する病徴は似ており、肉眼での判別は難しいです。

炭疽病は症状が進行すると、病斑の周囲が紫褐色を呈し、直径1~2mmの小さな病斑を多数生じるのが特徴です。輪紋病と紛らわしいので注意が必要です。

 

 

発生要因

炭疽病はカビの一種である炭疽病菌(学名:Colletotrichum destructivumもしくはGlomerella cingulata)に感染し発病することで起きます。雨や曇天が続く時期、湿度が高くやや気温が高い環境で発生しやすくなります。特に気温が22℃前後で湿度が高くなる梅雨の時期や秋口には注意が必要です。また、日当たりも感染に影響を及ぼすことが知られており、日当たりが悪い・日当たりが良すぎて葉焼けすると葉の抵抗力がなくなり感染につながります。

言わずもがな、菌が葉に付着することでも感染します。炭疽病の病原菌である(胞子)は、風雨や灌水時の水撥ねで葉に付着し、そこから感染するといった感染経路を持ちます。他にも感染した葉から胞子を飛ばし、健全な葉にも感染していきます。

 

 

防除方法

炭疽病の防除方法として一般的に以下の方法が用いられています。

 ・感染した部位の処理

 ・薬剤処理

 ・抵抗性を高める

炭疽病菌は感染した葉や茎の残渣上で越冬し、伝染源となることが知られています。こういった残渣は土中の深くにすき込む(もしくは埋めてしまう)か、鉢や庭の外に持ち出して処理しましょう。また、植え付けた後は繁茂しすぎに注意が必要です。適度に風通しを良くすることで、湿度を下げることができます。

農薬(殺菌剤)を使用して、効果的に炭疽病を防除することも重要です。定期的に散布することで持続的に症状を抑えることができます。しかし、同じ農薬を使用しすぎると薬剤耐性菌の発生が起きてしまいます。「去年薬剤A」をしようしたなら「今年は薬剤B」を使うといった剤を組み合わせて散布することを推奨します。

余談ではありますが、使用する薬剤によって「使用してもよい作物」の登録がされているものがあります。使用する際は予め確認するようにしてください。

植物の病気 ナシ編 ~ナシ赤星病~

ナシ赤星病とは?

 ナシ赤星病とは、「ビャクシン類(カイヅカイブキなど)」と「果樹(「ナシ」や「リンゴ」など)」の間を、交互に宿主とする珍しい菌です。

 この病原菌は、春から夏に「ナシ、リンゴ」に、夏から翌春に「ビャクシン類」に寄生します。「ナシ」から「リンゴ」、反対に「リンゴ」から「ナシ」、「ナシ」から「ナシ」に感染することはなく、必ず「ビャクシン類」を経由して感染します。

 症状として、展開したばかりの葉に明るい黄色の小斑点ができ、これが拡大して橙黄色の小斑点が多数できます。5~6月になると病斑の裏側にタワシの毛のようなもの(毛状体)が形成され、後にその先端から粉のような胞子が出ます。7月以降に病斑部は腐り、病斑の多い葉は落葉していきます。

島根大学 生物資源科学部 デジタル標本館 (shimane-u.ac.jp)


発生要因

 赤星病はカビの一種である赤星病菌(学名:Gymnosporangium asiaticum)に感染し発病することで起きます。この菌は上記でも述べたように、ナシ・リンゴとビャクシン類との間を交互に宿主とする菌です。

 ビャクシン類の葉上に形成された冬胞子が、ナシの開花期頃までに成熟し、赤褐色の冬胞子塊を形成します。降雨にあうと冬胞子塊は水分を吸収して、ゼリー状となり、雨風に乗って飛散しナシ等に到達して発病させます(2km先のナシに発病させることもある。)

 ナシの葉の病斑上には「さび胞子堆」が形成され、6~7月にそこに形成されたさび胞子がビャクシン類に到達して発病し、翌春まで菌糸の形で潜伏します。

島根県:赤星病(トップ / しごと・産業 / 農林業 / 技術情報 / 農業技術情報 / 病害虫防除所 / 病害虫データベース 目次 / ナシ) (shimane.lg.jp)

防除方法

 赤星病の防除方法として一般的に以下の方法が用いられています。

 ・「ビャクシン類」と「果樹(「ナシ」や「リンゴ」など)」の距離を離して育てる

 ・薬剤処理

 ・罹病部を速やかに除く

 ビャクシン類はこの病原菌にとって必要な寄主です。そのため、ナシ類を育てている圃場周辺近くにあるビャクシン類を除去することによって、発病を激減させることができます。実際にナシの栽培が盛んな鳥取県では、ナシを育てている場所の周辺にビャクシン類を置かないようにし、この病気が発生するのを予防しています。

また薬剤防除を用いる際は、胞子が飛散する4月上旬から2~3回程度散布すると効果が高いとされています。

 

コミックス ~植物病理学は明日の君を願う~ を読んでみた

作品について

作者:竹良 実

作品内容:人類の弱点は「植物」にある! 静かに潜む脅威と闘う科学者達の物語

登場人物について

叶木(かのうぎ)准教授
帝央大学の植物病理学者。植物の病と日々闘う、植物のお医者さん。

千両久磨子(せんりょうくまこ)
叶木の新米秘書。 父親を植物病の被害ゆえに亡くしている。

『植物病理学は明日の君を願う』 竹良 実 | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館 (bigcomicbros.net)

読んだ感想

結論から言いますと、とても面白い作品だと感じました。私自身学生時代に植物病理を学んできたので、作中に出てくる植物の病気が出てきたとき「聞いたことある病気だ!」と喜んでしまう場面がいくつもありました。また、とあるシーンを見た際、学生時代に研究室の教授から「この直径7㎝のシャーレ1枚で育てている菌を○○県の農場の土に撒くだけで、県の××(作物の名前)を全部枯らせれる」と言われたことを思い出し、本当に植物の病気でバイオテ〇が可能であることに心底恐怖しました。

まとめ

植物病理を知らない方、学んでいない方でも分かりやすく説明がなされているので読みやすい作品だと思います。また、如何に植物の病気が恐ろしい存在であるか、感じてもらえる作品だなと思いました。身近であるにも関わらず、あまり知られていない植物の病気について知りたいという方は是非読んでもらいたいです。